外用の痒み止めとして医療用でも市販でもお馴染みのオイラックスクリーム。有効成分はクロタミトン。
クロタミトンがどのようにして痒みを抑えるのか添付文書を参照すると、
「本剤はモルモットにヒスタミンを投与して起こしたショック症状に対し何等の抑制作用を示さず、モルモット摘出回腸においても認むべき抗ヒスタミン作用を示さないこと、またヒトの皮膚感覚のうちそう痒感を抑制するが、他の皮膚感覚には影響を与えないことなどから、抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤とは作用機序を異にすると考えられる。
一般には、皮膚に軽い灼熱感を与え、温覚に対するこの刺激が競合的にそう痒感を消失させるといわれている。1~3)
- 鎮痒作用1)
- Heubnerの表皮十字切法に従い、健康成人の皮膚にジオニン又はヒスタミン1,000倍液を用いて生じたそう痒感に対し、オイラックスクリーム10%はすぐれた鎮痒作用を示す。また、健康成人の皮膚面で、温覚、冷覚、触覚、痛覚及び擽覚に対するオイラックスクリーム10%塗布の影響はみられていない。」
と記載されています。
また、使用上の注意には
「塗布直後、軽い熱感を生じることがあるが、通常短時間のうちに消失する。」
とあります。
オイラックスは皮膚に軽い灼熱感を与えて痒みを誤魔化している説。
・・・私、気になります!
という訳で実際に試してみました。
市販のオイラックスAにはクロタミトン以外にジフェンヒドラミン他も含まれています。ちなみに¥753でした。
とりあえず今回はクロタミトンによる灼熱感だけの確認です。鎮痒についてはノーコメントとします。
ちょうど軽い湿疹が出来ていたので、皮膚正常部と湿疹部とで比較してみました。
結果
正常部:ちょっとだけ違和感があり、息を吹きかけると一瞬ヒヤッとする感じがします。
湿疹部:メントールとはまた違うヒヤーっとするような形容し難い感覚がします。掻破部位ではほんの僅かにピリッと刺激がありましたが、一瞬だけでした。
うーん、これが「軽い灼熱感」ですかね・・・。熱く感じることはありませんでした。何も知らずに試したら「軽い清涼感」と表現していたかも知れません。
灼熱感と刺激感
またまた添付文書に戻り副作用欄を確認してみましょう。
「過敏症(5%以上) 皮膚の刺激感(熱感、ひりひり感等)・接触性皮膚炎(発赤等)
このような場合には使用を中止すること。なお、塗布直後、軽い熱感を生じることがあるが、通常短時間のうちに消失する。」
実体験として、掻破により皮膚のバリア機能が損なわれていると、クロタミトンの灼熱感により刺激を感じやすくなるのではないかな?と思いました。n=1ですが。
バリバリ掻き毟っている症例ではオイラックスは避けて、レスタミンやステロイド外用剤を使用する方が無難かと思われます。
以上、オイラックスの使用感についてのレポートでした。
参考 オイラックスクリーム10%添付文書
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