新薬のメモ帳~慢性便秘症治療薬モビコール~


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薬剤師の波波です。

本記事は医療関係者向けとなっております。予めご了承下さい。

今回は、小児便秘治療の星となるであろうモビコール配合内用剤(一般名:マクロゴール4000,塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム)です。
では早速、申請報告書を見ていきます。

何の薬?

慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

用法用量は?

水に溶かして服用します。

初回投与 増量幅 最大量
2歳以上7歳未満 1包/回x1回/日 1包/日まで 2包/回・4包/日
7歳以上12歳未満 2包/回x1回/日 1包/日まで 2包/回・4包/日
12歳以上~成人 2包/回x1回/日 2包/日まで 4包/回・6包/日

初回用量は各年齢区分で設定されています。初回投与の状態により適宜増減して1~3回/日、服用します。ただし、増量する場合は2日以上の間隔を開ける必要があります。

服用のタイミング・回数は、個々の生活リズムに合わせて設定します。
海外のデータでは1日あたりの投与包数が同じであれば投与回数は効果に影響しない、と考えられています。

漫然投与に対して注意文が記載されていますので、投与の必要性を適宜確認して下さい。

どんな剤形?

散剤(分包品)です。1包あたり約6.8gの散剤が入っています。

味は?

矯味料などの添加物は一切含まれていません。マクロゴール4000の味です(どんなだ)。多分、無味でしょうか?
有効成分からしてジュースなどに混ぜても問題ないと思われます。

製剤見本がきて味見できたら追記します。

安定性は?

ラミネート袋に入った状態での安定性しか試験されておらず、開封後の安定性は不明です。

一包化(分包)できる?

どうしても開封(バラ)して分包する場合があるかも知れません。
前述の通り開封後の安定性は試験されていませんが、添加物フリーですし、全量に対して95%がマクロゴール4000なので、おそらく大丈夫ではないでしょうか?組成に影響が出るとは考えにくいです。
吸湿してダマになるかも知れませんが、どうせ水に溶かしますし特に支障は無いでしょう。

作用機序は?

経口投与されたマクロゴール4000は、ほとんど吸収されず、代謝や腸内細菌で分解されません。腸内に到達したマクロゴール4000は浸透圧性下剤として働き、腸管内の水分を増加させて便の排泄を促進します。
また、マクロゴール4000と共に配合されている塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムは腸管内の電解質バランスを維持します。

副作用は?

下痢・腹痛が3%程度の頻度で生じましたが、症状は軽度でした。
休薬や減量で対処してもらいましょう。

安全性は?

特筆すべき事項はありません。

電解質が配合されていますが、投与にて過量となる量ではありません。
海外の市販後安全性情報で高ナトリウム血症が1例のみ報告されているのみで、高血圧や高カリウム血症の報告は現時点(2018年8月)でありません。

禁忌は?

腸閉塞、腸管穿孔、重度の炎症性腸疾患の患者に対して禁忌となっています。
これは海外のPEG(ポリエチレングリコール)製剤の添付文書に合わせた形です。

相互作用は?

臨床試験において、ピコスルファート、グリセリン浣腸、ビサコジル坐剤が併用されましたが、有効性及び安全性に変化はありませんでした。

臨床上の位置づけ

機構は、成人及び小児の慢性便秘症に対する選択肢の一つ、としています。
しかし、海外でのガイドラインや使用状況を鑑みるに、小児の慢性便秘症に対しては第一選択になると思われます。

まとめ

安全性が高く相互作用も無いので、小児だけでなく高齢者にも非常に使いやすいと思われます。
浸透圧性下剤というと酸化Mgが席巻している日本ですが、かなりの量がPEG製剤に置き換わっていくのではないでしょうか。薬価が酸化Mgより高くなることは明らかなので、医療費の高騰に寄与するかと。
薬としてはモビコールを選択することが正しいのでしょうが、財政面では酸化Mgにも(適正使用のうえで)まだまだ頑張ってほしいところです。

参考

モビコール配合内用剤_EA ファーマ株式会社_審査報告書

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