今さら聞けない薬のメモ帳~リンゼス~


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薬剤師の波波です。

普段、何気なく調剤しているけれど、患者さんや医師から「これってどうなの?」と聞かれてもペラペラ回答できるようにIFや審査報告書を元に調べる「今さら聞けない」シリーズ。
記念すべき1発目はリンゼス(リナクロチド)、いってみましょー!

何の薬?

便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)治療薬。
※慢性便秘症についての適応追加も承認申請中(2018年8月現在)⇛承認されました。

どう効く?

腸管管腔表面に存在するグアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体を活性化することにより、腸管上皮細胞内のcGMP濃度を増加させる。細胞内 cGMP が増加すると、PKGⅡ(Ⅱ型cGMP依存性プロテインキナーゼ)による、クロライドイオンチャネル であるCFTR(嚢胞性繊維症膜貫通調節因子cystic fibrosis transmembrance regulator)の活性化が生じ、腸管腔内へのCl-及びHCO3-分泌が増大し、腸管腔内への腸液分泌が促進され腸管内輸送能が改善される。
また、腸管上皮細胞内で産生された cGMP はトランスポーターにより腸粘膜下組織に輸送され、PKG の活性化を介して求心性神経の発火を抑え大腸痛覚伝達を抑制すると考えられている。

どんな製剤?

淡黄色のフィルムコーティング錠。
ストリップ(SP)包装(乾燥機能付きアルミニウム・ポリエチレンラミネートフィルム)、40℃/75%RH(暗所)の加速試験6ヶ月で規格範囲内の類縁物質増加、水分量の変化あり。
シャーレ開放過酷試験では、高湿度において1日後に規格逸脱の類縁物質増加、7日後には溶出性および定量において規格内での変化あり。光に対しては、10日で規格内での類縁物質増加あり。
とまぁフィルムコートしているのに湿度、光にめっぽう弱い。なのでSP包装という強固な鎧を身にまとっている。

一包化していい?

前述の内容より基本的には不可。
乾燥剤いれて密封し、更に遮光すれば7~14日分程度なら可能かも知れない。パーキンソン等でシートを開けにくい場合は、対策を講じた上で一包化を必要とするケースもあり得る。

粉砕していい?

粉砕の作りおきは前述の通り不可。服用直前の粉砕なら可能かも知れないが、味や刺激性の有無が不明。

いつ飲む?

食前。
→臨床試験において食前と比較して食後投与では下痢の発症率が高かったため。
また、IBS-C患者においては食事の接収により腹痛・腹部不快感を増悪することも考えられるので、リナクロチドを先回りさせておく。

どれだけ飲む?

1日1回、0.5mg。症状に応じて適宜0.25mgまで減量する。

副作用は?

下痢が13%と発現率が高く、減量や休薬にて対応する。海外の臨床試験・市販後使用経験では重度の下痢も報告されている。
次いで高いのが腹痛の1~5%未満。
他1%未満の中に肝機能悪化があるが、臨床試験において投与中止により自然軽快している。

代謝・排泄は?

リナクロチドは腸管においてカルボキシペプチダーゼAにより、薬理活性を有する一次代謝物MM-419447に代謝される。
また、リナクロチド及びMM-419447はグルタチオン及びグルタレドキシン系の酵素群によってジスルフィド結合が切断され、蛋白質分解酵素によって低分子ペプチドに代謝、更に天然型アミノ酸まで分解されると考えられている。
参考までにラットに対する静注で主排泄経路は腎臓、胆汁排泄も一部関与すると考えられている。

併用禁忌・相互作用は?

併用禁忌・相互作用ともに無し。
リナクロチドはCYPの基質にはならない。また、CYP阻害作用は弱く、CYP誘導作用は示さない。

禁忌症例は?

リナクロチドに過敏症のある患者

機械敵消化管閉塞またはその疑いのある患者
→腸管への水分分泌を促進するので内圧が高まり、最悪の場合は穿孔を来しうるため。

参考文献

リンゼス錠0.25mg インタビューフォーム・審査結果報告書

 

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