薬剤師の波波です。
多くの薬剤師を惑わせたことがあるであろう錠剤の「割線模様(デザイン割線)」。
割線なのか割線模様なのかで自家製剤加算の算定可否に関わるので、とっても大事ですよね。
「割線模様って何のために入ってるんだろう?」
ふと疑問に思った波波は製薬メーカーに問い合わせてみました。
興味本位の質問に真摯に回答して下さった各問い合わせ窓口担当者様には、この場を借りて感謝申し上げます。
問い合わせたのは、ベンザリン・フルイトラン・リフレックスの3つです。
選考基準は単純に「割線模様」でパッと思いついたのが、この3つだったからです。槍玉に挙げるみたいになって、何だかスミマセン。
割線と割線模様の違いと判別方法
そもそも割線模様だと何かいけないの?という方向けにザックリ説明。
割線:半錠したとき有効成分が均一になり、自家製剤加算が算定可能(半量規格がある場合を除く)。
割線模様:半錠したとき有効成分が均一にならず、自家製剤加算が算定不可。
判別方法:添付文書の「性状」の項に「割線」という記載があれば「割線」、無ければ「割線模様」です。
ベンザリン(共和薬品)
規格が10mg、5mgときて最後が2.5mgじゃなく2mgという残念な仕様により、往々にして5mgを半錠することになるベンザリン。
メーカーの回答:販売移管品のため割線模様を入れている理由までは不明
実際に問い合わせたのは2017年なんですが、ベンザリンは2016年に塩野義製薬から共和薬品工業へと販売移管されています。移管に際して割線模様の理由までは継承されなかったみたいです。聞いといてアレですが、まぁ割とどうでもいいですしね。問い合わせるのがあと1年早ければ・・・
フルイトラン(塩野義)
「割線模様といえばフルイトラン」と言っても過言ではないでしょう。知らんけど。
独特な花形フォルムで1/2だけでなく1/4まで出来そうな形をしているクセに全部模様という意地悪なヤツ。
メーカーの回答:販売移管品のため割線模様を入れている理由までは不明
また販売移管か・・・、波波の知的欲求を阻む販売移管という壁。今まで販売移管について特に何も思わなかったのですが、ちょっとした情報が継承されない、というのは不便になるケースもありそうですね。全部継承してくれたらいいのにな!
リフレックス(明治製菓ファルマ)
抗うつ薬という特性上、用量の微調整が重要になることもあるでしょう。でも残念、リフレックスも割線模様なんですよね。
メーカーの回答:打錠機をオランダから輸入しており、海外品と同じ作りになった結果として割線模様が入っている。理由については海外まで辿らないと分からない。
「じゃあオランダに問い合わせて下さい」とは流石に言えませんでした。興味本位の質問でそこまで要求できるほど波波のメンタルは強くできておりません。
理由が分からなかったのは残念ですが、リフレックス以外でも「海外で先に製造販売されたものについては海外に聞かないと分からない」というのは共通事項になるんじゃないでしょうか。
すなわち、「日本発で製造販売開始された薬品で割線模様があるもの」はメーカーに問い合わせて具体的な回答が得られるであろう、ということですね。
・・・調べるの面倒くさい。ので以上3つで終わり!これにて閉廷!
まとめ
結局、割線模様が入っている理由は全く分かりませんでした。
「不便にはならないだろうし、とりあえず入れとけ!」みたいな感じなのかも知れませんね。
とにかく、半錠の処方が出たときは割線or割線模様を調べる癖をつけましょう(半量規格があるかどうかもお忘れなく)。
そして後継者へ脈々と受け継いでいくのです。
「割線模様って知ってる?」と・・・。
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