薬剤師の波波です。
私は只今、田舎の薬パパ師先生主催(?)の薬剤師オンラインコミュニティに参加させて頂いています。
詳細は↓コチラ
薬剤師の為のオンラインコミュニティ、募集中です!
参加無料のコミュニティで交流したり勉強したりしませんか?
子育てや長時間勤務で忙しい薬剤師でも気軽に自己研鑽できる環境です♪
お問い合わせもどうぞお気軽に~~(^^)https://t.co/s1oKsABfQz— 離島の薬パパ師 (@b5JAZV8d9X6xAbS) August 26, 2018
そこで先日話題に上がったのが慢性蕁麻疹に対する抗ヒスタミン剤の高用量&2剤併用について。
具体的には、
Rp.1 フェキソフェナジン 120mgx2回
Rp.2 ビラスチン 20mgx1回
という内容。
処方元の皮膚科医に問い合わせたところ、
「抗ヒスタミン剤の高用量で効果が上がる」という返答だったとのことです。
よっしゃ、調べましょ!
アレグラ(フェキソフェナジン)の審査報告書
慢性蕁麻疹、アレルギー性鼻炎の用量検索試験の項を見てみます。
両疾患において、承認された常用量と高用量との間に「大きな差は無い」「同程度のスコア減少」と記載されています。
ではフェキソフェナジン120mg/回という高用量設定は無意味なんでしょうか。
アレグラの承認年月日は2000年9月22日ですので、当然審査報告書自体も古いものです。
最新のデータが無いか文献を探してみます。
慢性自発性蕁麻疹と高用量抗ヒスタミン剤の有効性
2017年2月14日公開という新しい論文が見つかりました。
Effectiveness and safety of antihistamines up to fourfold or higher in treatment of chronic spontaneous urticaria
慢性自発性蕁麻疹の治療における最大4倍以上の抗ヒスタミン剤の有効性と安全性
今回の疑問にバッチリはまる論文ですね。
内容に関しては図を見たほうが早いと思います。
「抗ヒスタミン剤の単剤常用量」で効果不十分であれば「抗ヒスタミン剤の単剤高用量」、それでも効果付呪分であれば「抗ヒスタミン剤の2剤併用高用量」により症状を改善する可能性があることが分かりました。
問題の症例に戻ります。
Rp.1 フェキソフェナジン 120mgx2回
Rp.2 ビラスチン 20mgx1回
フェキソフェナジンを常用量の2倍量まで増量したが効果不十分、フェキソフェナジンは2倍量のまま、ビラスチンを併用することで症状改善を図ったようですね。
フェキソフェナジンもビラスチンもピペリジン骨格である点が気になりますが・・・。
フェキソフェナジンの増量を2倍に留めたのは副作用リスクを懸念してのことでしょう。
ハイ、という訳で処方医の意図が分かったので、あとは患者さんの症状が改善することを祈りましょう。
もっと記事内容を練りたかったのですが、早々に投稿したい気持ちが勝ったので取り敢えず公開します。
また時間のある時に更新したいと思います。
※追記 蕁麻疹ガイドライン
ガイドライン見るのを忘れていました。嘘です、途中で気付きましたが早く公開したかったのでスルーしちゃいました。すみません。
病型別の治療指針→慢性蕁麻疹の項を見てみます。
「(抗ヒスタミン剤の)通常用量で効果が不十分であった場合は、添付文書に従って内服量を増加することで高い効果が得られることもある」
フェキソフェナジンの添付文書には適宜増減と記載があるので、レセプト的にも許容範囲と捉えて良さそうです。
抗ヒスタミン剤の2剤併用については、今のところ記載はありませんが、今回取り上げた研究結果などを受けて改訂されるかも知れませんね。
参考 アレグラ 審査報告書 Effectiveness and safety of antihistamines up to fourfold or higher in treatment of chronic spontaneous urticaria(PMID: 28289538) 蕁麻疹ガイドライン
コメントを残す