第11回日本在宅薬学会 参加レポート~厚労省がやってきた!~


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薬剤師の波波です。

2018年7月15日・16日に大阪で開催された「第11回 日本在宅薬学会」に参加してきました。
少し前から始まった感覚なんですが、もう11回目なんですね。時が経つのは早いもので・・・。

では早速本題に入りましょう。
色々なシンポジウム、口頭・ポスター発表など見聞きしてきましたが、一番メモを取ったのは2日目に行われた下記の講演です。

教育講演「薬剤師の社会的役割の向上と職能の高度化を目指して」

演者:紀平 哲也氏(厚生労働省 医薬・生活衛生局 総務課)

厚労省キター!
1日目のシンポジウムでも演者として厚労省の方が登場していましたが(波波は聴いていない)、お一人でガッツリ1時間取ったのは紀平氏の講演のみ。特別感が凄いですね。

紀平氏は何を語ったのか・・・?
せっせと残したメモがどんな内容だったか忘れないうちに書き出していきます。
もう既にメモを見返してもうろ覚え箇所多数のため「こんな感じのことを言っていたよ!」くらいに思って読んで下さい。

患者情報を得ているか?

スライドにはビタメジンとTS-1の画像。
「1日3回なのに間違えて1回に3個飲んじゃった、というときに薬学的なアセスメントができるのが薬剤師の能力」

続いて、「薬剤師の知識」「患者情報」が列挙されたスライド。
「では、毎食後の薬が出たとして、患者が1日3回食事を摂っているか確認しているか?」

薬理学、動態学など様々な知識を持っていても、患者情報をキチンと取得していなければ意味ないよね、ということを仰っしゃりたかったのかな、と思います。対人業務しっかりやりなさいよ、と。

目的と手段を取り違えないこと!

「かかりつけ薬剤師、患者のための薬局ビジョン、これらは目的ではなく手段」
「要件を満たすことを目的にしてはいけない」

かかりつけ薬剤師の契約について会社からノルマを課された、なんて話を聞いたことがあります。
本来であれば、かかりつけ薬剤師になって患者さんの受ける医療の質を向上させることが目的ですが、ノルマ制はかかりつけ薬剤師になることが目的になってしまいますよね。
薬局ビジョンについても同じで、厚労省の示す薬局ビジョンをクリアすることが目的になってはいけませんよ、と。仰る通りです。

プライマリ・ケア 5つの概念

「近接性」「包括性」「協力性」「継続性」「責任」
「プライマリ・ケアには以上の5つが必要」

話の流れは忘れてしまいました。サラッと触れた程度だったと記憶しています。
ただ、「責任」というのは今回キーワードの一つと言っていいと思います。また登場しますよ。

患者との信頼関係の構築

かかりつけ薬剤師に関して。
「根っこにあるのは患者との信頼関係。これを忘れてはいけない」
「薬剤を交付して終わりではなく、飲んでからどうか?24時間対応を含めて責任を持つように」

これも仰る通り。そして再登場した「責任」という単語。

OTC・食品に関して

「調剤薬局がドラッグストア並にOTCで利益を得られないのは当然」
「だからといってOTCを置かない、という選択をしたが為に、処方箋が無いと入りにくい調剤薬局の現状を招いた」
「OTCをどのようなツールとして使うか、知識を持たないといけない」
「患者用食品やユニバーサルフードなども同様」

スライドには健康サポート薬局の認定を受けた、とある薬局のOTC売り場の写真。
その薬局は認定に必要な最低限のOTCを揃えたらしいです。
OTC置くのは当然だけど、置いただけで満足しないように、というメッセージかと。
これは耳が痛かったですね。でも最近はPOP作ったり頑張ってるのでセーフ!ということでどうかひとつ・・・。

在宅・退院時カンファレンスについて

「インセンティブがつくから行く、というのは違う」

前述した「目的と手段を取り違えてはいけない」という内容ですね。この話はまだ登場します。

残薬について

「薬が余って勿体無い、ということではなく、渡したものがキチンと服用されていないことが問題」

スライドには「残薬バッグ」の写真。どこかの薬局が残薬解消の取り組みとして行っているものですね。
個人的に残薬調整の疑義照会で点数は要らない、と思っています。なのでウンウン頷きながら聴いていました。
認知症や精神疾患等で在宅に入ってみて初めて発覚するケースは別として、服薬状況の確認はずっとやってきていた訳で、何で今さら残薬に点数つけるのか理解できませんでした。後出しジャンケンなら何とでも言えますが。

ジェネリックについて

「安くなるからではなく、薬剤師が医薬品の選択を行える、と捉えること」

じゃあ先発品のメーカー変更や剤形変更も認めてよ!と内心訴えていました。
併売品とか無駄な半錠とか解消するのに!

な” ん” で な” ん” だ よ” お お ぉ お ! !

薬剤師以外による調剤業務について

明言は避けておられましたが、調剤補助に関するお話。
スライドを再現すると以下のような感じでした。括弧内は波波の勝手な補足です。

(薬剤師が)しなければならないこと
       ↑
高度な専門的知識と技能を有する資格者としての裁量
       ↓
(薬剤師以外が)してはいけないこと

現状グレーゾーンとなっている最たる例はピッキングでしょうか?一包化もありますかね。
グレーゾーンの行為については薬剤師の裁量によって可、と捉えました。他に捉えようがないと思いますが。

そして、ここでも目的と手段の話。

「調剤報酬がつかない事は、しなくても良い、という事ではない。調剤報酬を同じ軸で考えないように」

報酬ですからね、あくまで行為の結果としてついてくるものです。
「こうすると◇◇点取れる」「こうしても1点も取れない」という考えが先に立ってはいけません。
・・・いやぁ考えちゃいますよね。まぁそれでやらない、という選択はしませんけども。
粉砕しても一包化しても1点も取れないと内心「チェッ」と思ってしまいます。狭量でゴメンね!

医薬分業の評価指標・薬剤師のスキルアップ

「ストラクチャー、プロセス、アウトプットがアウトカムにどう繋がるか」
「薬剤師のスキルアップは、薬剤師の資質向上ではなく、患者に対する薬物治療の質の向上が目的。
能動的に継続しているか。アウトカムを研究・論文として見える化していく必要がある」

アウトカムを集積して医薬分業のメリットとなるエビデンスを出しなさい、と。
医薬分業不要論が声高に叫ばれている今、この課題はとっても大事ですね。
調剤薬局の存亡がかかった課題と言っていいでしょう。えらいこっちゃ!

ちなみに薬剤師スキルアップのスライドには、研究・論文の先に「博士」の2文字がありました。
目指せ「薬学博士」!!

薬剤師業務の体系化

「業務のアウトカム数値化、PDCAを回す、業務改善が必要」
「業務が体系化されていないと、全員が同じようにできない」

言わんとする事は分かりますが、じゃあどうする?という辺り、難しい・・・。考えます。

処方箋枚数で稼ぐ時代は終わり

医薬分業率は頭打ち。増え続ける薬局。今後も下げられるであろう基本料や技術料。
生き残り競争の始まり!!

業務の効率化・機械化と責任の所在

「対人業務のために業務の効率化が必要だが、機械化しても対物業務が無くなる訳ではない。どこで薬剤師が最終の責任を持つか」

私はどこだろうと責任を持つのは当然と考えていますが、そうではない方もいるという現実があり・・・。
責任を持てない薬剤師さんはサヨナラ~って感じでしょうか。

感想

聞き逃している点も多々あるかと思いますが、以上で本日の講演まとめを終わります。
お読み頂いて如何でしたでしょうか?
個人的には耳の痛いところも少しありましたが、全体的に「まあ当然ですよね」という印象を受けました。
決して余裕綽々で上から見下ろしている訳ではありませんが、昨今の流れを見ていればそうなりますよね、と。
真面目にやって結果出すしかありません。他にやりようが無いですから、そりゃ腹も括ります。

学会参加レポートと題しながら1講演にしか触れずに当記事はこれにて終わり。
異論は受け付けません!疲れたので終わり!

最後までお読みいただき誠にありがとうございましたm(_ _)m

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4 件のコメント

  • とても勉強になりました。
    博士号取得を目指すことがキャリアアップにつながるとのことでしたが、現実的には難しくないですか?
    どうしたらとれるんでしょうか?

    • 通りすがりの後輩さん

      コメントありがとうございます!
      博士に関してですね。これは現状存在する博士号のことではなく、厚労省の方が「将来的にこんな制度もあるかもね」という感じでスライドでポンッと示されただけなんです。
      誤解を招いたようで申し訳ないです。
      本日の講演の感じでは、ものすごーくザックリ言うと「実務を元にした研究を行い、論文を提出し認定を受ける」感じになるのかな、と思います。
      誰が認定するんだとか、本当に制度が実現するのかとか、全く未知です。
      ですが、もし本当に実現すればキャリアに箔がつくのは間違いないですし、薬局薬剤師発の論文がどんどん出るようになれば面白いですよね。
      回答になっていますでしょうか?頓珍漢なことを言っていたらスミマセン!

  • お返事ありがとうございます!

    なるほどです。そういう方向ならば、薬局薬剤師もエビデンスを残すことができ、存在意義も示すやもしれませんね。

    私は行政で働いているのですが、実際、現場では博士号を持っている人材は重宝されますか?

    • 残念ながら私はまだ博士号を持っている方と現場でお会いしたことがありませんので、また推測での話になります。
      現状で言えば、学会発表を盛んに行っている薬局・病院であれば、博士号を持っている方はアドバイザーとして活躍できるのではないでしょうか。
      今後、先のお話であったように薬莢において研究・論文を求められる環境が一般的になれば、博士号を持っていることは強みになるのかも知れません。
      私自身、研究・論文作成を行ったのは卒論での経験しかありませんので、博士号をお持ちの方にノウハウを御教授いただければ大変助かると思います。

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