クラリスロマイシンとリファンピシンとベルソムラを併用するとどうなる?


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薬の管理をしている施設に新しく入居されてきた患者さん。
持参薬に「クラリスロマイシン」と「リファンピシン」がある。

クラリスロマイシンは「強いCYP3A4阻害剤」、リファンピシンは「強いCYP3A4誘導剤」である。

この患者さんが、往診医とは別の心療内科医を受診し眠剤を処方され、近隣の薬局で調剤を受けて昨晩から服用を開始されている・・・とのことで施設に出向き薬を回収。
・・・そこにあったのは「ベルソムラ」、主要代謝経路にCYP3A4が関与しているため、クラリスロマイシンなど「強いCYP3A4阻害剤」との併用は禁忌となっている。
受診の際、お薬手帳も薬情も持っていくのを忘れてしまったらしい。

強いCYP3A4阻害剤とベルソムラ

唯一ケトコナゾールとの併用経験があり、ベルソムラのCmax、AUCがそれぞれ23%、179%上昇。
クラリスロマイシンとの併用経験はないものの、ケトコナゾール併用時と同様に血中濃度が上昇する可能性は大いに有り得る。

強いCYP3A4誘導剤とベルソムラ

リファンピシンとの併用データが有り、CmaxとAUCがそれぞれ64%、88%低下、とある。

阻害VS誘導

さぁどうしよう。
既に1回服用している。日中は特に変わった様子は無かったらしい。

「CYP3A4の阻害と誘導が相殺されて、ベルソムラの血中濃度がいい感じに保たれているのかも・・・?」

そんな考えが頭をよぎったが、阻害が勝れば継続服用で血中濃度が上昇し続けて副作用を生じるかもしれない。
わざわざ危ない橋を渡る必要は無い。
処方元に疑義照会したところ、ベルソムラは中止、再診の運びとなった。

しかし、この患者さんの体内でベルソムラはどんな動き方をしていたのか、非常に気になるところである。

これで終わってはつまらないので、論文を探してみた。

PMID: 26819743

クラリスロマイシンとリファンピシン併用者において、CYP3A4により代謝される内在性コルチゾールFと、その代謝物6βOHFの血清中濃度および尿中濃度を測定し、6βOHF/ F比をCYP3A4活性マーカーとして評価したものである。
しかし、併用時の値しか無いので何とも言えない。単独投与での値もあれば、阻害と誘導、どちらが強いか比較できたかも知れないのに。残念。

結局、想像の域を超えないまま、この記事は終わりである。

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