オススメ市販の痛み止め~外用薬(湿布・塗り薬)~


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薬剤師の波波です。

ドラッグストアに行くとズラリと並ぶ湿布や塗るタイプの痛み止め。どれを買えばいいのか迷いますよね。

そこで何かオススメを紹介したいと思い、いろいろ調べたりウンウン考えたりしたんですが、至ってシンプルな答えにたどり着きました。

光線過敏症の副作用リスクを少しでも回避するなら「ロキソニン」、強い消炎鎮痛効果を求めるなら「ジクロフェナク(ボルタレン)」をオススメします。

薬について説明する前に、おそらく外用消炎鎮痛薬を使うケースとして多いであろう「捻挫・打撲」と「肩こり」に関してのお話を少し。

捻挫・打撲

グキッと捻挫してしまったり、何かにぶつけたり(打撲)・・・それにより患部に熱感がある・腫れている、そんな時まず何をしますか?

「わかった!冷感タイプの湿布とかスプレーを使えばいいでしょ?」

ブー!間違いです。

正解は「RICE(ライス)」!念の為言っておきますが、お米じゃありませんよ。

RICEとは

安静(Rest)・氷で冷却(Icing)・弾性包帯やテーピングで圧迫(Compression)・患肢を挙上すること(Elevation)

この応急処置4項目の頭文字をとってRICEと呼びます。

詳しくは公益社団法人 日本整形外科学会のページ(クリックで飛びます)を参照して下さい。

湿布やスプレーなどの「冷感」は文字通り「皮膚が冷たく感じる」だけなので、RICEにおける「冷却(アイシング)」には該当しません。

捻挫・打撲に対して市販の痛み止めを使うのは、RICE処置を行い病院(整形外科が望ましいです)を受診した後がよいと思います。基本的に病院で薬を処方してもらうと思いますが、もらった薬が無くなった・合わなかった等の場合ですね。

どうしてもRICE処置が出来ない・病院に行けない!という事情がある場合は、急場しのぎとして市販の痛み止めを使って下さい。ただし、痛みが和らいでも捻挫自体が治っている訳ではないので、患部に負担を掛けないように注意して下さい。

肩こり

肩こりは筋肉の緊張状態や血行不良が原因で起こります。

「それなら温感タイプの湿布で温めればいいのね?」

うーん…断言は出来ませんが、あまり意味は無いと思います。「冷感」と同じような話になりますが、「温感タイプ」は皮膚を温めているので、その熱が筋肉にまで到達するのかどうか?という疑問が生じる訳ですが、答えは見つからず…。

「温感タイプ」は有効成分としてトウガラシエキスやトコフェロール(ビタミンE)を配合しています。後者のトコフェロールに関しては「しもやけ(凍瘡)」に使う医療用医薬品の「ユベラ軟膏」にも含まれています。ユベラ軟膏の説明書(添付文書)を見ると「ビタミンEは経皮吸収され、皮膚の血行を促進し、皮膚温を上昇させるとともに、微小血管の透過性の亢進を抑制する。」とあります。医療用医薬品で見ても皮膚レベルなんです。

波波は実際に温感タイプの湿布を試しに使ってみましたが、厚めの服に貼るカイロを貼っている感じ、というと分かりやすいでしょうか。しかし温かく感じるのは2時間前後といったところでした。やっぱり意味無いんじゃないかな…。こまめにストレッチしている方がよっぽど良いと思いますよ。「温まっている方が効いている気がする」という方は「温感タイプ」を選ぶと良いでしょう。「〇〇な気がする」というのも大事ですからね。

余談 温感湿布にメントール配合の謎

温感湿布の試しに使った久光製薬の「フェイタス5.0温感」なんですが、l(エル)-メントールを有効成分として配合しています。そのせいで、温感なのに貼り始めはメントールのヒヤ~っとする清涼感が強いです。10~15分ほど経過すると次第に温まってきます。

「これメントール要らなくない?温感を求めて買った方はビックリするんじゃないかな…」という感想でした。終わり。

ロキソニンを推す理由~光線過敏症のリスクが低い~

ロキソニンシリーズはH30.5月現在「ロキソニンSテープ」「ロキソニンSパップ」「ロキソニンSゲル」の3製品が販売されています。いずれも医療用のロキソニン外用剤と同用量の有効成分を含有しています。

光線過敏症(光アレルギー性接触性皮膚炎)

ロキソニンは、その有効成分の構造・性質上、光線過敏症を起こしにくいとされています。そのため、医療用・市販用ともにロキソニン外用剤の副作用として光線過敏症の記載はH30.5月現在ありません。

詳しく知りたい方は、販売元である第一三共のページ(クリックで飛びます)を御覧ください。

ただし、光線過敏症を全く起こさない、という訳ではありません。

第一三共に問い合わせたところ、ロキソニンパップで2例(~2017.2月迄の約9年間)、ロキソニンテープで22例(~2017.2月迄の約8年半)の光線過敏症が報告されているとのことでした。ロキソニンゲルについては現時点では光線過敏症の報告は無いそうです。ロキソニンテープで症例数が多いのは、単純にテープ剤の使用量が多いからであると推察されます。また、ロキソニンとの因果関係が不明な症例も多数含む、との回答でした。(H30.5.22)

他の薬品ではどうでしょうか。

医薬品・医療機器等安全性情報を参照すると

「平成17年1月から平成20年12月の間にケトプロフェン又は類薬(フルルビプロフェン,インドメタシン,フェルビナク)の外用剤が処方された症例における光線過敏症の発現状況を比較した。その結果,ケトプロフェン外用剤の処方から2ヵ月以内に光線過敏症と診断された割合は0.05%(35例/65,897例)であり,フルルビプロフェン外用剤では0.03%(10例/32,893例),インドメタシン外用剤では0.05%(11例/20,338例),フェルビナク外用剤では0.02%(11例/50,975例)」

とあります。3年間での数字ですので、ロキソニンと比較するために例数を3倍してみます。あくまで単純計算ではありますが、ロキソニンによる光線過敏症のリスクは他薬に比べて低いと言えそうです。

ケトプロフェン:105例 > インドメタシン:33例 = フェルビナク:33例 > ロキソニン:24例

ジクロフェナク(ボルタレン)での症例数は見つけられませんでしたが、添付文書(説明書)には副作用として光線過敏症が明記されており、同様に注意が必要です。

光線過敏症を回避する方法

外用の痛み止めを使っている、または使い終って4週間以内(ケトプロフェンに準じています)の部位を紫外線から守りましょう。具体的には、濃い色の衣服を着用して患部を隠す、SPF50以上・PA+++のサンスクリーン剤(日焼け止め)を厚めに塗布する、といった対策が効果的です。

ただしサンスクリーン剤の場合、成分として含まれている「紫外線吸収剤」による光線過敏症を起こす可能性があります。紫外線吸収剤フリー・ノンケミカルのサンスクリーン剤(クリックで飛びます)を選ぶようにしましょう。

ジクロフェナクを推す理由~効果の強さ~

ジクロフェナクは他の消炎鎮痛薬より効果が優れている、とする研究結果があります。

「紫外線対策はしっかりするから、とにかく市販薬で一番強いものがいい!」という方はジクロフェナクを選ぶと良いでしょう。

ジクロフェナクは様々なメーカーから製品が出ており、剤形も多岐に渡ります。代表的なメーカーの製品をピックアップして一覧にしてみました。「メントール(ハッカ)の匂いが嫌!」という方は、「ボルタレンACゲル」「ボルタレンACローション」がメントール非配合の無香性製品ですのでオススメ。「フェイタスZゲル」も同じくメントール非配合なのですが、こちらは製品情報を見ると「微香性」となっております。

 

以下、参考にした文献(ものすごい斜め読みしてます…)

エスフルルビプロフェン>ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ケトプロフェン>ロキソプロフェン、インドメタシン、フェルビナク PMID: 27241582

ジクロフェナク>フェルビナク>インドメタシン PMID: 23675240

NNT比較 ジクロフェナク:3.7>ケトプロフェン:3.9>インドメタシン:8.3 PMID: 20556778(後の研究でインドメタシンの数値は改善されているものと思われる:PMID: 26068955

サリチル酸メチル・サリチル酸グリコール

サロンパスに代表される「サリチル酸メチル」「サリチル酸グリコール」についてはデータがイマイチ(PMID: 19588430)…メリットは保護者監督の元で子供にも使える、という点くらいでしょうか。何か情報があれば御教授頂きたい次第でございます。

 

以上、かな?まとまったのか不安ですが、とりあえず終わり!です。

不備があればビシバシご指摘下さいませ。随時更新していきます。

ご質問があればお気軽にどうぞ!

当ブログを読んで頂きまして誠にありがとうございます!
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